「星くそ館」オープン

「星くそ館」は、黒耀石の原産地、星糞峠の一帯で発見された縄文時代の黒耀石鉱山の地下の様子を公開するものです。すでに史跡公園として公開されている黒耀石鉱山では、平成3年からその実態を解明する発掘調査が継続的に行われてきました。展示館は、鉱山の中腹にある第1号採掘址の調査区の中に建設され、縄文人の採掘活動の様子を示す地層や、黒耀石を含む火砕流起源の火山灰層を掘り込んだ痕跡を見学することができます。

「星くそ館」までは、麓の黒耀石体験ミュージアムから、30分ほどの軽い登山となりますが、縄文人も辿ったであろう森の中のミチを、ゆっくりと楽しみながらおいでください。なお、来館の際は、黒耀石体験ミュージアムの窓口で受付をしてください。登山に自信のない方は、スタッフがご相談にのりますので、遠慮なくお申し出ください。

 

「星くそ館」の見どころ

①星くそ館の外壁

黒耀石の森に佇む「星くそ館」の外壁は、コールテン鋼板という環境変化に強い特殊な建築材を用いました。この鋼板は、表面に発生する錆によって鋼板自体を保護するという性質を持っています。

人類の歴史は、石の時代から鉄の時代へと移り変わって今日に至ってきました。言い換えれば、石と鉄は、一見相反する素材のようですが、ともに人類の営みを支えた貴重な天然の資源でもあります。自らを守るために発生する錆の色は、年数を経てその色合いが変わっていきます。経年変化を遂げる星くそ館の外壁は、今の我々が、遠い、石の記憶を未来に守り伝えるというメッセージを含んでいるのです。

 

②縄文時代の時の流れと人々の活動が刻まれた地層の展示

「星くそ館」の内部では、長さ20m、最大高5mを超える黒耀石鉱山の地下に堆積した地層が展示されています。地層や起伏のある縄文人の掘削面は、本物を剥ぎ取り、精密な測量データを基に、発掘調査で発見されたそのままの姿で再現しました。通常の博物館で展示されている剥ぎ取りの地層の多くは、裏表が反転された状態で展示されています。しかし、当館では、特殊な技術で再度反転し、検出された状態に戻しています。この地層の展示技術とその規模は、世界的にも稀有な事例となります。

 

③地層のパズルを解いて縄文時代にタイムスリップ

「星くそ館」で展示されている地層は、黒耀石を採掘していた縄文人が地中を掘り返し、高く積み重ねた土砂によってできたものです。縄文人が掘り棄てた土砂の単位を示す地層が積み重なっていったプロセスを辿ると、まるで映画のコマ送りの様にして、縄文人の動きが見えてきます。そして、この土砂の間には、植物が腐ってできた黒い地層が4枚挟まれており、採掘当時の地面だったことが分かってきました。厚く堆積した土砂の地層は、一度に掘り棄てられたものではなく、幾世代にもわたって採掘が繰り返されていたのでした。

展示室では、この地層のパズルから見えてきた縄文人の採掘の様子を、実際の地層のラインに合わせて投影したプロジェクションマッピングで解説する新たな手法にチャレンジしました。プロジェクションマッピングは、30分おきに上映されます。

「星くそ館」のご利用案内

◆開館日

 5月~11月(今年度は開館日から)、月曜休館(祭日等の場合は翌日)

◆開館時間

9時~16時

*黒耀石体験ミュージアムの閉館時間(16時30分)までにお戻りください。

◆入館料

無料

*黒耀石体験ミュージアムでの受付となりますが、ミュージアム内の施設利用、見学の際は、入館料が必要となります。受付にて、ご確認ください。

◆その他

歩きやすい遊歩道となっておりますが、舗装はされておりませんので、運動靴などでのご来館をお勧めします。

なお、史跡公園内の植物や黒耀石の採集や持ち帰りはできません。皆様がくつろげる史跡公園の保全に、ご協力下さいますよう、お願い致します。