灯された縄文人の心

香炉型土器(中道遺跡)

千曲川源流域の拠点的な遺跡である中道遺跡から出土した香炉形土器。おそらくムラの祭りなどで使われたのだろうか、土器の内側が煤すすけており、ランプのように火を灯したと考えられる。両腕に子ども抱いたこの土器は、胎内に希望の灯を宿し た母の姿でもあり、背面に配された蛇や様々な生き物の姿は、 自然の強い生命力とともに母子を守っているかのようだ。文字の無い時代につくられた縄文土器。しかし、その造形は、黒耀石を分かち合った歴史と共に人々の命をつなぐ縄文人の心を伝えている。