長和町と英国セットフォードの国際交流モニュメントが、長和町の新庁舎入り口に設置されます。その制作にあたる英国のフリント建築家であり芸術家のデビット・スミスさんが来日し、モニュメントのコンセプトやデザイン、制作方法などの相談と制作が始まりました。今回は、その様子を紹介します。

☆モニュメントデザインのコンセプトについて

モニュメントは和田峠から流れ出した希少な火砕流の地層パネルを背景に置き、黒耀石とフリントで装飾された『過去・現在・未来』の3枚のパネルから構成されています。

パネルの中央に配置される『時を臨のぞむ窓』の装飾は、建設委員でもある地元の宗田光一(むねたこういち)さんに黒耀石で制作して頂きました。今回は、その周囲を飾か ざるモザイクのデザインをデビッドさんと相談し、英国のフリントと新たに加えることとなった黒耀石を薄うすく裁断するところから始まりました。
これは、地震の少ない英国の建築では、フリントの塊を積み上げるようにしてモルタルで固め、厚い壁をつくっていきますが、日本では耐震用に石の塊をタイルのようにして軽くする必要があるからです。裁断の作業は地元の石屋さんにお願いしました。様々な形・厚みの石の塊を、短時間で同じ厚みに仕上げるその技術に、建築家でもあるデビッドさんは感銘を受けていたようです。

モザイクのデザインは、3つのパネルで異なる意味を持つものとなりました。1枚目の過去のパネルは英国のフリントのみで飾られ、デビッドさんが打ち割ってつくられた四角いタイルが、セットフォードで見かける伝統的なモチーフで配置されています。これに対して2枚目の現在のパネルは、素材となるフリントの自然な形を活し、その中に黒耀石のタイルも組み込まれました。英国と長和町との出会いをイメージしています。

そして、3枚目の未来のパネルは、デビッドさんが得意とする『ギャレッティング』という手法でつくられました。『ギャレット』とは、細かく打ち欠いたかけらという意味で、石の塊から薄く打ち剥がしたフリントと黒耀石の欠片同士が密着して挟はさみ込むようにして張り込まれています。これは、両地域の融合を表現し、溶岩や川の流れからヒントを得た流れるような曲線は、両地域が一体となって未来や世界に羽ばたく新たな流れをつくり出すという願いが込められています。

全体の構成は、過去の伝統から自然体の現在へ、そして、融合する二つの地域がより躍や くどうてき動的に動き出すという変化が表現されています。パネルの周囲は、長和町の特産である曲線の美しい集成材の枠わ くで縁取られ、立体感のある壁画としてたくさんの方を出迎えることになります。

(長和町広報11月号掲載の『月刊オブシディアン通信No.065』より)