長和町は、平成24年より子ども達のホームスティを含む国際姉妹都市提携を目指し、歴史遺産繋がりで、英国東部ノーフォーク州にあるセットフォードと交流をはじめました。

セットフォードには、フリントの鉱山で有名なグライムスグレイブス遺跡があります。新石器時代から始まる採掘の跡は、丸い窪みとして地表面にその痕跡を示し、遺跡の景観は星糞峠の黒耀石鉱山と類似しています。

また、セットフォードの人口は2万人程の静かな町ですが、ローマ時代の道や中世からの伝統建造物を街並みに留める環境は、長和町の中山道の取り組みとも共通していると考えています。

2回目となる今回の訪英には、3つの目的があります。一つ目は、地域ぐるみの交流にするために両地域の経済界の交流を図ること。二つ目は、ホームスティの候補校となっているグラマースクールの視察と表敬訪問。三つ目は、両地域の歴史や文化を理解し合うための窓口となる博物館相互の親睦を高める事です。

この訪問記では、セットフォードの博物館、「Ancient House Museum」との交流の様子について紹介します。

◆エインシャントハウスミュージアムとの文化交流◆

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15世紀の歴史伝統建造物を活かしたエインシャントハウスミュージアム(写真右側)。朝方の静かな佇まいは、まるで、時間が止まっているようでした。

昨年、長和町を訪問したボーン・オリバー館長と黒耀石体験ミュージアムの館長、辰野教育長が、文化交流を謳った合意書を取り交わしました。(写真左側)

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一見静かに見えるエインシャントハウスミュージアムですが、一歩中に入ると様々な年代層の子ども達が、創造性豊かな活動を繰り広げていました。

4歳児が参加するミニ・ミュージアムでは、唄に合わせて手遊びを。平均年齢6歳×10の私たちも急遽、「夏もち~かづく、八十八夜~♪チャンチャン」とお披露目をすることに。

我々の訪問に対し、中学生を中心とした歴史クラブの皆さんが、博物館の解説をして下さいました。学校が違っても、博物館が日常的な交流の場になっているようです。

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歴史クラブの皆さんは、それぞれに解説文をつくり、この日のために練習してくれたようです。汗をかき、緊張しながらも無事説明を終え、私たちの質問にも答えてくれました。

「なぜ、あなた方は、歴史に興味を持ったの?」という訪英団メンバーの質問に、ある男の子は、「この博物館の学芸員さんが好きだからです。」と…。

その答えに、子ども達を導いてきたメリッサさんも、チョットはにかみながら嬉しそうでした。気がつくと、周囲には、子ども達を優しく見守る博物館の皆さんの姿が。ここは、とてもいい空気が流れている空間です。

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この日は、考古学資料を学校の教材として活用する英国の研究者グループも集まっていました。「日本考古学・文化遺産学校教育オンライン資料」の初公開イベントもあり、遺跡だけでなく、人の繋がりも少しづつ広がってきたように思えました。国際交流を支援頂いているセインズベリー日本藝術研究所のサイモン・ケイナー氏はもちろんのこと、韓国の全谷里旧石器フェスティバルで知り合ったドン・ヘンソン氏も、まるで旧知の友のごとく、毎回、駆けつけて下さいます。広い世界の中で、友との距離はけして遠くないようです。

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(ボーンさん、メリッサさん、そして、ケイナーさん、本日もありがとうございました。)

By 大竹幸恵

(注)2014年7月29日にブログに投稿した記事の再掲です。